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展示会商談の鍵!「掛け率」の基本と交渉の心得

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魅力的な商品を開発し、いざ展示会へ!しかし、素晴らしい商品も、バイヤーにその価値をしっかりと伝え、適切な条件で取引を成立させなければ、ビジネスとして花開くことはありません。
その商談の場で、必ずと言っていいほど話題にのぼるのが「掛け率」です。

「言葉は聞いたことがあるけれど、実はよく分かっていない…」
「バイヤーとの交渉で、どう切り出せばいいのだろう?」

そんな不安や疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この知識集では、展示会での商談を成功に導くために不可欠な「掛け率」の基本について、分かりやすく解説します。

「掛け率」

「掛け率」とは? – ビジネスの基本を理解しよう

「掛け率」という言葉の意味から理解していきましょう。
これはビジネスにおける価格設定の根幹に関わる、非常に重要な概念です。

掛け率の定義:上代と下代の関係性

「掛け率」とは、簡単に言うと「小売価格(上代)に対する卸売価格(下代)の割合」のことです。
これは、バイヤーが商品を仕入れる際の価格決定に直結するため、ビジネスにおいて非常に重要な指標となります。

  • 上代(じょうだい):
    一般的に「メーカー希望小売価格」「定価」「販売価格」などと呼ばれ、最終消費者が店頭などで商品を購入する際の価格を指します。

  • 下代(げだい):
    「卸売価格」「仕入れ価格」などと呼ばれ、小売業者(バイヤー)がメーカーや卸売業者から商品を仕入れる際の価格を指します。

掛け率の計算方法

掛け率は、以下の式で計算されます。
下代 ÷ 上代 × 100% = 掛け率 (%)

例えば、上代 1,000円の商品を、下代 600円で卸す場合、
600円 ÷ 1,000円 × 100% = 60%
となり、この場合の掛け率は「60%」です。
口頭では「6掛け(ろくがけ)」や、単に「0.6(れいてんろく)」などと表現されることもあります。

なぜ掛け率が重要なのか?

では、なぜこの「掛け率」がビジネスにおいてこれほどまでに重要視されるのでしょうか。
それは、取引に関わる双方の利益に直接影響を与えるからです。

  • メーカーや卸売業者にとって:
    掛け率は自社の利益を左右する重要な要素です。
    適切な掛け率設定は、事業継続のための収益確保に不可欠です。

  • バイヤー(小売業者)にとって:
    仕入れ価格(下代)は、店頭での販売価格設定や、確保できる利益額、さらには価格競争力にも直接影響します。そのため、バイヤーは掛け率を非常にシビアに検討します。

掛け率交渉の心構え、それは成功への第一歩

展示会での商談では、「掛け率」の話は避けて通れない、とても大切なテーマです。
しかし、この数字のことばかり考えてしまうのは、ちょっともったいないかもしれません。

一番大切なのは、自社商品の良いところや魅力を、バイヤーにしっかり伝えること。
そして、お互いに「この会社と取引したいな」と思えるような、良い関係を築くことです。
その上で、お互いが「これならいいね!」と思える条件を見つけていくことが理想的です。

掛け率は、あくまで話し合いの中の一つの条件。
それよりも、バイヤーと一緒にお客さんに喜んでもらえる商品を届けたい、一緒にビジネスを大きくしていきたい、そんな気持ちを持つことが、長く続く良いお付き合いの始まりになるのではないでしょうか。

こうした流通の基礎についても、オンライン講座「売場の学校」では、詳しくご紹介します。

売場の学校

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