実家の仕事を手伝っていた“潜伏期間”は、自分の道を探す模索の時期でもありました。
「これ!」と思うことがあれば実際に行動し、知識を深め、自分の中に溜め込むことを続けていました。
そんな時、「あの方のようになりたい!!」と強く思える大きな出会いがあったのです!
諦められない今までの仕事と新しいジャンルへの出会い
アパレルの企画の仕事が好きだった私は、両親が岐阜で営む料亭を手伝うようになっても自分が好きな道を諦めきれず、時間を作って関心があった雑貨プロデュースについて学べる学校に半年ほど通いました。

多治見のセラミックパークMINOで開かれた、美濃焼イベントに出かけた時のことです。
美濃焼と花、工芸品などで作り上げられた食空間演出・テーブルコーディネートを見て、「こんな仕事があるんだ!」と、雷に打たれたような大きなショックを受け、「この方のようになりたい!!」 と強く思ったのです。

瞬間的に強い憧れを持ったその方は木村ふみさんという「食環境プロデューサー」。
美濃焼を中心に感性あふれる空間装飾・演出の存在感はものすごくインパクトがあり、驚きました。
そして、初めて耳にするその肩書きにも関心が高まりました。

ご本人のトークショーをお聞きすると、それまで出会ったことのない経歴、知識、考え方を持たれた方で、「こんなすごい女性、こんな仕事があるのか」と感心しきり。
伝統工芸に詳しく、花やテーブル、インテリアなども使ってプロデュースするプロの仕事は、すべてにわたりそれまで私がみていたものとはスケールが違うものでした。
それまでも、少なからず興味があった華道や茶道、陶芸をかじっていましたが、所詮は「お習いごと」。
そのレベルを抜け出し、「私も木村さんのようにあらゆるジャンルのプロになりたい!」と、その時、強く思いました。
そして夢を膨らませて・・・
もともと親戚に美濃焼の窯焼き多いことから、幼い頃からさまざまな陶器に触れており、実家に戻ってからは地元の窯元で直接買い付けて卸すこともしていました。

その流れで、自社ブランドを企画販売、カフェの併設もイメージし、神戸や京都、さらにはイタリアやフランスを一人で訪れてさまざまな雑貨屋やカフェを見てまわり、資料写真を撮りため、建築系の雑誌を見ながら夢を膨らませるようになったのです。
(次回に続く)