グローサラントという言葉をご存じですか?
「グロッサリー」と「レストラン」を合わせた造語で、作り置き商品だけでなく、店内で売られている食材を調理して、その場で食べられる新しい飲食業態のことをいいます。
今回は4年間の改修工事を終え2019年9月、リニューアルオープンした、大丸心斎橋店本館のフードホールの売り場づくりについてお話ししたいと思います。
ライフスタイルや時間消費型を重視した売り場

「五感が刺激されるライブキッチン」をコンセプトにオープンキッチンスタイルを中心とした、これまでの百貨店ファッション重視ではなく、ライフスタイルや時間消費型を重視した売り場です。
大型百貨店が並ぶ中、大丸心斎橋店「心斎橋フードホール」はどのような店作りを目指すのか、注目されていました。
グローサラントは、JR大阪駅前に開業した商業施設LUCUA(ルクア)に2018年に登場した「kitchen&market」。
普通の総合食品売場と異なり、まるでマルシェのような売り場としてグローサラント新業態として話題となり、ご存じの方も多いかと思います。
アルコールも専門店の料理もその場で
今やフードホールで欠かせないのがお酒の売り場ですね。
「リカーショップ GRAND CERCLE(グランセルクル)」では、多彩なアルコール類をボトル販売し、また一部量り売りのドリンクもあります。
また好みのボトルワインを買って、フードホール内の共用テーブルで料理とともにゆっくり楽しめます。
フランス発のトリュフ料理専門店「ARTISAN DE LA TRUFFE PARIS(アルティザン ドゥ ラ トリュフ パリ)」オープン前から、雑誌やwebサイトで注目を集めていたのがトリュフ料理の専門店です。
本店は、パリの観光名所の1つでもある「ベー・アッシュ・ヴェー(BHV)」に店舗を構えています。
日本の第1号店は、六本木のミッドタウンにあります。
心斎橋にできた2号店は、可能な限りオーガニックにこだわったフランス産の高品質なトリュフをたっぷり使った料理をお手頃な価格でカジュアルに楽しめるようになっています。
百貨店らしい贅沢感×デパ地下らしい気軽さ
これまでのフードホールに比べて、リッチな専門店の充実ぶりで、高級な料理を楽しめるけど、手の届く価格の店をセレクトしているように思います。
ある意味、百貨店らしい贅沢感とデパ地下らしい気軽さをうまく融合させた体験価値のあるフードホールになっています。


買うと食べるを混在させることで、食に触れたり、楽しむ時間が増え、結果的に客単価UPにつながり、お客様の楽しめる顧客体験価値をつけることで店舗へと足を運びたくなるきっかけとなるのではと考えます。