起業して11年が経った自分のキャリアを振り返ると、「いろいろな現場で経験させていただいたなぁ」と思うとともに、そのどれもが今の自分の“血肉”になっていると実感します。
特に、会社勤めを辞める決心をし、個人事業主として起業する前後の数年間は目まぐるしくフェーズが変わり、資格を取得し、現在に至る道筋がどんどん開けてきた時期でした。
様々な経験が今に続く大きな財産に
私の仕事のキャリアは、アパレル業界に始まり、フラワーコーディネーター、インテリアプロデュース会社での雑貨の商品開発や店舗ディスプレイ、通販事業の商品バイヤーやフードコーディネーターを経て、中小事業者、生産者の支援を行ってきた地域ブランディング商社にお世話になりました。

ここで、クライアント様の取り組みや実情のヒアリングに課題分析、改善提案を行い、ニーズに応じて商品のバイヤー評価やブランドのブラッシュアップ、展示会サポートなどを経験させていただいたことは今に続く大きな財産となっています。

2013年個人事業主として独り立ち
個人事業主として2013年に独り立ちした直後は、前職の流れからお仕事をいただき、イベントでのフードコーディネート業務や地方食品メーカーの商談・販売支援などを請け負っていました。
起業はしたものの、「自分の道」を開くということは試行錯誤の連続です。
そこで、特に関心があった食の分野で会社員の立場ではできなかった経験をして「自分の強み」を作ろうと考えました。
フードコーディネーター業務を行いながら、それまで経験がなかった中食分野の知見と経験を得ようと、老舗高級ホテルの味を引き継ぐセントラルキッチンの勤務や、百貨店で広く知られるお惣菜店での販売なども経験しました。

「6次化中央プランナー」への登録
この頃、「強み」を強化しようと、「6次化中央プランナー」への登録を果たしました。
農業者が主体となって1次産業の農林漁業に加え、2次産業の製造業や3次産業の小売業などを融合させる産業形態を指す「6次産業化」の取り組みを農林水産省が推進し始めた時期でもあり、それらの取り組みを促進させるために認定が始まりました。
6次化中央プランナーという資格を私も申請し、登録することができたのです。
ここでの、初めての依頼内容は、6次化大賞に向けた、プレゼンテーションの指南でした。
その結果、予選、最終の選考まで進み、
2位に相当する「新潟市長賞」を受賞することができたのです。

グランプリは逃しましたが、事業者様を受賞獲得へ導くことができたことは大きな自信となりました!
6次化中央プランナー登録をきっかけに、お客様の対象が自治体様に広がり、自治体のメニュー開発(※)、販促PR活動、地方食品メーカーの商談や販路拡大支援など、裏方役、縁の下の力持ちという感じの仕事が続きました。

※ 自治体のメニュー開発「宮崎県三股町PRイベント」
(レシピ一例)
・きんかんドレッシングのシーザーサラダ風
・宮崎県黒豚とあさり 春のリゾット~マメ黄金いくら添え~
・抹茶の香り 国産鶏のフリッター どぶろく味噌仕込など
さまざまな地方の皆様と知り合うことができ、そのお仕事を応援できることを楽しく思うと同時に、積み重ねてきた自分の経験をもっと活かす方法はないかと考えるようにもなったのです。

そのフェーズが一段階大きくステップアップしたのは、2017年に両親が経営していた料亭を継承し、自分の会社として法人化してからのことでした。
(次回に続く)